不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「これは警告よ。二度と慶紀にちょっかい出さないように」

 スッとそのまま何事もなかったように部内に消えていく清瀬さんとは違い、私はしばらくそこで動けずにいた。

 なにをどう頭で整理していいのかわからない。
 今、なにが起こったのか……今起こったことはすべて幻だったのではないかとすら思う。

 私がこの部に来る前から、清瀬さんは陰険だという噂があった人だけれど、あからさまに嫌なことを言われたことは、今まで一度もなかったのに。

 だけど今のが清瀬さんの、いわゆる“裏の顔”だ。

 それを実際に見てしまったからなのか、言われた内容についてショックだったのか、ダメージの原因がどちらかはわからない。
 壁へと寄りかかったまま、しばし呆然と放心状態を貫いた。

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