不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「風見さんだって、笹岡さんと清瀬さんが付き合ってることは知ってるし。そんなバカな挑発にのったりなんかしないさ」

 冷静に考えればそうだ。だけど私は清瀬さんが怖い。
 なにもかも自分の思い通りにしてやるというような、今日初めて見たあの目が怖い。

「清瀬さん……私が気にくわないなら、ひっぱたいてくれて良かったのに」

「え? 寧々、なに言ってんの。酔ったの?」

「風見さんを誘惑したり挑発したりされるくらいなら、私がひっぱたかれるほうが何倍もマシ」

 身体が痛いのはすぐに治る。
 でも、心が痛くてモヤモヤするのは、なかなか治らない。

 風見さんを巻き込んで、心の一番痛いところを傷つけられるくらいなら、頬が多少痛いくらいなんでもない。
 ビンタの一発や二発くらい受け止められる。


< 128 / 298 >

この作品をシェア

pagetop