不機嫌な彼のカミナリ注意報2
 知らなかった。風見さんが煙草をやめていたなんて。
 いや……彼女という立場なら、週末の段階でそれに気づいてもおかしくないのに、私はなんて鈍感なのだろう。

「それがどうかしたのか?」

「……あの……」

「煙草が本題じゃないんだろう? ほかに話があるんじゃないのかよ」

 風見さんの言う通りだ。
 サラリと違う話題から入って、何気なく本題の話を振ろうと思っていたのだ。

 なのに違う話題のほうで、ガツンと頭を打ってしまった。
 しかも、わかりやすいんだよお前は、とあわてる私の全貌を見透かされた。
 恥ずかしくて、穴があったら入りたい。

「えーっと……再来週の十四日なんですけど、夜に会えたりしませんか?」

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