不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「ああ、そうなんだよ。先方はふたりで来たんだけど、若いほうの担当者が割と横柄な態度でね。うちの第一営業部の部長と話すんだけど……言ってくる要望も無茶苦茶だし、全然かみ合わなくて険悪な空気になったんだよ」

「うわぁ……」

「それで向こうもダメだと思ったのか、その担当者が変わった。どっちみちうちの営業部は、上司のほうを接待して機嫌を取るつもりみたいだけどね」

 あっけらかんとする染谷さんを見ていると、私たちが心配するほどのことでもないのかなと思ってしまった。
 
 まぁ、仕事の窓口は営業部だから。
 なにかあっても、うちの部が営業部を飛び越えて矢面に立たされることもないのだろう。

 私たちは営業部のサポートとして、データを集めたり、戦略を練ったり、販促のお手伝いをするだけだ。

「それにしても風見さんって、第一営業部の部長にえらく気に入られてるね」

「え……そうなんですか」

「知らない? もうね、すごいよ。風見くん、風見くん、って。あの調子じゃ、営業部に異動で引っ張られる日が来るんじゃないかって思うくらい」

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