不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「緒川さんはやさしいわね」

「やさしいだなんて、そんな……」

「うちのチームにも緒川さんくらい癒し系の人がいてくれたらよかったのに」

「………」

 どう返事をしていいのか、正直困った。
 塚原さんのチームの人たちを思い浮かべると、みんな優秀なのだけれど、癒し系のタイプは少ないように思うから。
 そんなことも塚原さんにストレスを与えているのだろうか。

「でも私、頑張りたいの」

 押し黙って微妙な笑みを浮かべる私に、塚原さんは気合を入れ直すようにそう言った。

「私は恩知らずにはなりたくないからね」

「恩知らず?」

「絶対に仕事で、風見さんに受けた恩は返したい」

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