不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「俺は……ダメな男だな」

「え?」

「お前に不安しか与えられない」

 チラリと上目遣いで風見さんを見ると、なにかを考えこみながらも困惑した表情だった。
 今言われた言葉に、力もない。

「やっぱり……今日の風見さんは、らしくありませんよ」

「なんだそれ」

「風見さんはやっぱり、不機嫌でぶっきらぼうで、無愛想で偉そうにしてなくちゃ」

 それを聞いた風見さんは、両手を持ったまま、私のおでこに自分のおでこをゴツンとくっつけた。

 ……衝撃が、痛いです。

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