不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「酷いですね、営業部の人も。騙すなんて」

「だろ? 聞けば……入念に仕組まれた罠って感じだよ」

「……罠?」
 
 ただ単に、イケメンでモテ男の笹岡さんを合コンに呼びたかった……というだけの話ではないのかな?
 がっくりと力なくうなだれる笹岡さんから複雑な言葉と表情が伺える。
 さらに、罠にはまった俺が悪いんだ……というような悲壮感まで漂わせて、今にも魂が抜けていきそう。

「営業部の女の子がさ、自分の友達を合コンに呼んだみたいなんだけど。その代わり、営業部で俺と仲のいいヤツに俺を必ず呼べって頼んだみたい」

「……え」

「要するに、合コンをセッティングするのと俺を参加させるのは、引き換え条件だったってこと」

 そうだったのかと私がうなずくと、笹岡さんが溜め息を吐きながらも、運ばれてきたコーヒーに口をつけた。

< 38 / 298 >

この作品をシェア

pagetop