龍泉山の雪山猫
それからの五日間は想像以上の忙しさだった。
踊りの稽古だけじゃなかった。朝起きたらとりあえず村長さんの家の中の掃除と朝ごはんの支度。それから踊りの稽古をして、お祭りの準備に来る村の人たちのためにお昼ご飯を作る。その後はまた稽古で、夕食も作って、夜は寝るまでお祭りに使う飾りを作ったり、踊りの稽古をしたり...。

五日目の夜には身体中がいたくて、何も考えられないぐらい疲れてしまった。
夕食の片付けが済んで畳に座り込むと、ミチおばさんがお茶を持ってきてくれた。
「ありがとう。」
「だいぶ疲れてるみたいね。本当だったらもう一回踊りの復習をしたいんだけど、もう明日に備えて休みましょうか。」
「うん、休んでおいたほうがいいかも...。」
「じゃあ、湯を沸かしておくから、ゆっくり入りなさい。そして、早めにお休み。」
「はい。」
ミチおばさんが部屋から出て行った。


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