転校先に同じ顔がいました
家に着くと、申し訳なさそうな顔をした両親がリビングのソファーに座っていた。
そんな顔されたら私が悪いみたい。
「美那、こっちおいで」
優しいお母さんの声に下を向くことしかできなくて、その場に立ち尽くす。
「美那、ごめんな。今度こそ本当に最後なんだ。そこで重要な役職につくことになってな。もう本当に最後なんだ」
「ママとパパもたくさん悩んで悩んで出した結果なの。食べていかなきゃいけないから、ここを出て東京に行くしかないの。ごめんね、美那」
ーーーわかってる。わかってるよ。あっちこっち行くのにもたくさんお金がかかってきたし
私だって学校に通わせてもらってる。わかってるけど
『...友達も彼氏も、せっかくできたのに、ここから離れたくないよ...』
私は親を困らせることしかできないんだ。