巡逢~茜色の約束~
ある日突然光を失った日常を受け入れられず、退院しても、家から出ない日が続いた。



受験のことだって考えなきゃいけない。

だけど、そんなの考えたくない。

考えたところで、答えは絶対見つからない。

ぐるぐると、後ろを振り返るしか出来ずに毎日を過ごして。



そんな俺の前に両親が揃って現れたのは、退院して一週間程が経った後だった。

当然、話題は高校のことへと行き着いたけど、大っ嫌いな2人を前に、俺はただただ黙り込んでた。

そんな俺に呆れたように溜め息を吐いた母親は、近所の高校のパンフレットを俺に差し出した。



ここなら学力的にも問題ない。

徒歩で通えるし、楽でしょって。



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