好きになんてなるわけねーだろ!!!


廊下を歩いていると、慶太が後ろから走ってきた。


「光輝光輝光輝ーー!!今、売店で、杏奈ちゃんが……!!」


俺は、無意識のうちに足を止めて振り替える。


「……先輩らしき人に口説かれてた。」


まさか、また永沢さんの話題とは。

腹がたって仕方ない。


『知ってるよ。』

「いや!いいのかよ!?」


俺は、ため息をついてから、再び歩き出した。


『俺には関係ない。』


慶太まで、あいつみたいなこと言うなよ。


「…あ。もしかして、ここ最近機嫌が悪いのって、そのせい?」


またもや、すっと足を止めてしまったが、誤魔化すようにもう一度歩き始める。


『……悪くねーし。』


教室に入っていく俺の後ろ姿を見て、慶太が小さく呟いた。


「…わっかりやす。てか、もう好きだろ?」


そんなことは、すでに席についている俺には聞こえるはずがない。

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