好きになんてなるわけねーだろ!!!
そんな考えが伝わったのか、慶太はベッドから降りて俺の正面に座る。
「俺を変えてくれたのは光輝だよ。」
急に真面目になるこいつに、気まずさをおぼえて、すっと目を逸らした。
『あそ。それは良かっ「だからさ、」
被せるように言う慶太は、俺を逃がしてくれる気はなさそうで。
少しだけ視線を戻すと、真剣な表情でこちらを見ていた。
「もう、やめろよ。」
たった一言。
その一言がずしっと心にのしかかる。
『はぁ。なにが。』
「分かってるくせに。」
はは。ほーんと、見てないようでちゃんと見てるんだよな。
『別に。いーだろ、俺の好きにさせろよ。』
「だから好きにさせてきたんじゃん今まで。でも、お前いつまでたってもかわんねーし。
第一、好きじゃねーやつと付き合ったって虚しいだけだろ?」
虚しい?そっか。
今までどんなに可愛い子と付き合ってもどこか埋まらなかった心の隙間。
これは、虚しいってことなのか。