好きになんてなるわけねーだろ!!!
「杏奈おそーーい!」
『ごめん!永沢さんが生徒会長ってびっくりしたんだもん!』
教室に戻ると葵がすでにかばんを片付けて待っていた。
「やっほー、あれ、杏奈ちゃんまだかばんしまってないの?」
そのとき廊下から現れた2人。
慶太くんと光輝。
「相変わらずとろいのな。」
憎まれ口しか言わない光輝に顔が引きつる。
『は・な・し・て・た・ん・で・す・!・せ・ん・ぱ・い・と・!!』
一語一語を細かく区切って言うと光輝も同じように区切って言い返す。
「あ・あ、そ・う・だ・っ・た・ん・で・す・か・!」
きーっとにらみ合ってから乱暴にかばんを片す。
『もう!葵!早く行こう!』
あんなやつら一緒に帰らないもんね!!
完璧に慶太くんも巻き込んで葵の手を引く。
でも、葵は動かなかった。
『葵!?』
半ばキレ気味で呼ぶと、葵は勢いよく両手を合わせる。
「ごめん!今日の勉強会って4人でなんだ!」
『聞いてないよ!!!』
「おー、いい突っ込み。」
素早い突っ込みを褒められたところで4人そろって学校を出た。