好きになんてなるわけねーだろ!!!


真っ赤な顔で睨みつけると、光輝は余裕そうに笑った。


「全然怖くないね。てか…」


そっと近づいて耳元で囁く。


「家でなら、いいのかな?」


わざと低い声で言われて私はばっと耳を抑える。


耳が…ぞくぞくってした…。


『そうゆうこと言ってるんじゃない!!』


かばんを勢いよく背中にぶつけて歩き出す。


「いってぇ。」


呟きながらついてくる光輝にばれないように、私は小さく笑みをこぼした。


「あ、そうだ。杏奈。」

『ん?』


「デート。」

『ん!?』


で、でーと!?


「これも公的じゃん。しよーぜ!」

『う…いいけど?』


これでも嬉しいんです。私。すごく。


でも、素直になれないところが悪い癖。

直さなきゃなぁ…。


「じゃ、今日の帰りだな!」

『あ、じゃあショッピングモール行きたいです!駅前にできた大きいとこ!』

「おーいいじゃん。そうしよ。」


そして、寄り道デートが約束された。

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