好きになんてなるわけねーだろ!!!
私は、急いで鞄に荷物を詰め込み、裕太の残していった菓子パンを2つ掴んで家を出た。
「お前準備、おせぇなー」
家の前で、自転車に足をかけてまっていた光輝。
『仕方ないでしょ!?』
そう言いながら、菓子パンを1つ光輝に渡して、自転車に鍵をさしこむ。
いつもは歩いて登校してる私たちだけど、自転車でも問題ない距離なのだ。
「…あー、もう、後ろ乗れ!」
『は…?いいよ、自転車あるし!』
自分の自転車に乗ろうとしたら、光輝に腕を捕まれた。
「いいから乗れ!お前漕ぐの遅えんだよ!遅刻確定だぞ!」
悲しいけど、否定できない私は、光輝の自転車の荷台の部分に乗る。
「全速力で行くから。ちゃんと捕まってろよ!」
そういいながら、私の腕を腰にまわさせて、出発した。
光輝の行動に、心臓が大きな音をたてる。
……昨日と同じだ。
いつの間にか大きくなった背中。手のひら。
……なんか、落ち着かないけど、居心地は、悪くない。
私は、どうしてか居心地のいい光輝の背中に体を寄せて、学校へと向かった。