好きになんてなるわけねーだろ!!!


「はい、先輩です!」


つい声に出してしまった私に、女の先輩は笑顔で答えた。


……可愛い。


「杏奈がずっとはぐらかすからきてもらっちゃった!生徒会長と副会長だよ!」


にこにこ笑顔の葵に私は苦笑いを返す。

それを見ていた光輝は面倒くさそうに頭の後ろを掻いた。


『葵……。私、はぐらかしたことないと思うんですけど。』

「えー?そうだっけ?」


わざとらしく、大量の瞬きをしながら言う。


……ふふ、ムカつくなぁ。


私は、何度も何度も誘われてはいるけど、全部断ったから。

しっかり、はっきりとね。


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