愛してる、愛される。
はぁ。疲れる。このコと居るとなんか疲れちゃう。急いで制服に着替えて、更衣室をでた。
「若葉ちゃん、オハヨウ」横には浅井課長が居た。
「おはようございます」浅井課長はバツイチで元奥さんが引き取っているが小学生になる女の子供が一人いるそうだ。
浅井課長は他の課長に比べて優しかった。話も面白くて、それで居てマジメな一面もある。どうして別れてしまったのかは聞いたことはないけど、あたしはら見ると別れる理由などないようにも見えた。

自分のデスクに座ってすぐ「先輩~みどりちゃんも実は明っちと付き合ってたみたいなんですよぉ~」と朝礼が始まる前にコソコソと小声で言ってきた。
「残るは先輩だけですねぇ~ふふふふふ」そういいながらゴロゴロとイスのままデスクにもどって行った。
残るは、あたしだけか・・・。ほんとにそうだなぁ。
みどりちゃんは、すでに仕事を始めていた。経理の仕事は、あたしたち受付とは違って本当に大変な仕事だった。
朝礼も終わり、仕事を始めようとした矢先に内線がかかる。受話器を取るとすぐに
「若葉ちゃん今晩ひま?」浅井課長の声だった。
「どうかしたんですか?」
「この前、話してたレストラン連れてってあげようと思って」
この前話してたレストランと言うのは、ホテルの最上階にあって夜景がものすごくきれいな場所で、そこは会員制で更に会員でもなかなか予約がとりにくいって話を浅井課長とあたしと、みどりちゃんと係長と何日かまえに4人で話していたのだ。
「会員になったんですか?予約も取れたんですか??」
「そうなんだよ~」
「へぇ~!!!すごいっっ!!!じゃあ、みどりちゃんにも言っておきますね」
「二人で行かない?」
「え?」
「二人分しか予約とれなかったんだ」
2人。こうゆうものは言ってもいいものなのか、すごく悩む。浅井課長はすごく積極的だし、あたしより10歳程年上なのも気になる。
何かあっても断れないと言うか、行ってしまえば終わりのような・・・そんな気がしていた。
「じゃあ、考えておきます」そう言って受話器を置いた。


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