ツンデレ専務と恋人協定

出会いは厄日の始まり

今日は厄日だ。

私、里田栞奈(ｻﾄﾀﾞｶﾝﾅ)は短大を卒業してから３年も働いた会社をクビになった。

取引先とのトラブルで私だけが責任を追わされた。
課長に全ての責任を押し付けられた。

課長のことをずっと尊敬して信頼していただけにムカつく！！


「あームカつく！ほんとあり得ないっ！」


飲んでいたグラスを勢いよくテーブルに置いた。


「ちょっと！栞奈！グラス割れるから！」


私の目の前でグラスを拭きながら姉の愛奈(ｱｲﾅ)がちょっと怒りながら言う。


「分かってるけど！ほんと悔しい！義理も人情ないんだから」

「あーもう煩いな！早く帰りなさいよ！仕事の邪魔」


ずっと我慢して話を聞いてくれていたお姉ちゃんだったけど、流石に嫌気がさしてきたらしい。


「まあまあ愛奈。今日くらい優しくしてあげなよ。栞奈ちゃん、次の仕事が見つかるまでうちでバイトすればいいよ」


お姉ちゃんの横で王子のような優しい微笑みを見せてくれるのは、お姉ちゃんの旦那様の春樹(ﾊﾙｷ)さん。

お姉ちゃん夫婦は結婚して２年もたつのにラブラブで、春樹さんは本当にお姉ちゃんにも私にも優しい。

そして、ここは春樹さんとお姉ちゃんがやっている居酒屋。