ツンデレ専務と恋人協定
「俺も歩いて帰る」

「え?」


専務が歩いて帰る?
住んでるところ知らないけど、歩いて帰れる距離なのかな?


「なんだよ?俺と帰るのが嫌なのかよ」

「そうじゃなくって、専務も歩いて帰れる距離なんですか?」

「うるせぇ。さっさと帰るぞ」


専務は私の質問に答えず歩き出して、私は黙って専務の横に行き歩き出した。

こうやって高級レストランじゃなく、普通の居酒屋で食事をして歩いて帰っていると本当に恋人みたいだ。

私には高級レストランのデートより今日みたいな方が現実味がある。



「きゃっ!!」

「あぶねぇ」


段差に気づかず転けそうになった私を専務が支えてくれて助かった。


「すみません。ありがとうございます」


専務のおかげで転けずにすんだ。


「ほれ」

「え?」


専務に手を差し出されて、どうしていいのかわからず困ってしまう。

多分これは手をつなごうってことなんだろうけど…。

私はちょっと勇気を出して専務の手に自分の手を重ねた。

手が触れ合った瞬間、心臓が跳び跳ねるかのように一気に鼓動が早くなった。


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