ツンデレ専務と恋人協定
「え?専務の新しい秘書って栞奈なの?」

「そうだけど?」


ヤマトが驚いた顔で私を見てくる。


「栞奈が噂の…」

「噂?ってなに」


私が噂になってるってこと?

だけど、会社の人とは全くって言っていいほど接点ないのに。


「モンスターと秘書がデキてるって」


デキてる!?って言うか…

「モンスターってなに?」

「あ!ごめん!いつもの癖で!」

「専務のこと?」

「ああ。何しでかすかわからないからって、影でモンスターって言われてるんだ」


何にも専務とか、モンスターとか散々な言われようだな。

確かに仕事はしないけど、悪い人ではないのに。


「それにしても、男の趣味変わったね。真面目なのが好きだったよね?」

「そうかな…」


契約のことはヤマトには言えない。

って言うか、私と専務のことが噂になってるってどういうことなの?

絶対専務のせいだ。

ところ構わず私のことを“お前”とか“栞奈”とか馴れ馴れしく呼ぶから。


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