ツンデレ専務と恋人協定
こんな嘘臭いセリフたちに私は喜んでいた。

専務の一言で泣いたり喜んでしまったり、私はどうかしてしまったらしい。

もしかして、私は専務のこと好きになっちゃったのかな?

最近、専務のことばかり考えてしまってるのは事実だった。

だけど、だからって好きとかわからない。


私は部屋を出て自分のデスクに戻った。


「里田さん、大丈夫?」

「え?」


デスクに戻るなり主任に聞いてこられた。

さっき泣いていたの見られたかな?


「何もないならいいんだけどね。専務とすごい勢いで入って行ったから。仕事のトラブルなら私も力になるから言ってね」

「ありがとうございます」


主任は本当に尊敬できる上司だと思う。

仕事が出来るだけじゃなく空気も読めるし優しいし、私もこんな素敵な人になりたいと思った。


「私は里田さんをサポートするために専務の専属になったんだからね」

「え?」


専務じゃなくて、私をサポートするため?


「専属になった初日に専務に呼ばれて、里田さんのサポートと、あといろいろ仕事を教えるように頼まれたの!秘書検定受けるんでしょ?」

「はい」


検定のことは主任にも専務にも話していないのに、どうして知ってるんだろう。

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