インターネットの歌い姫


『...ゲーム?』

そういい、彼は胸ポケットに織り込まれていた白いハンカチを優雅にとりだした。


「そう、ゲーム。僕になにされてもこれをおとしちゃいけないゲーム。

3分間我慢したら、君の勝ち。我慢できなくて落としたら君の負け、簡単だろ?

俺は君に触らない。手は使えないって訳だ」


『それで私が勝てばアクセサリーは返してくれるんですよね?』


「ずいぶん自信があるね。」


『勝つに決まってます』


「じゃあ、話は速い。君が勝てばこれが手にはいる」

といい、手に持っているものをちらっと私に見せつけた。


「僕が勝った場合...どうしようかな…。そのとき考えることにするよ。」


『いいでしょう。でははじめしょう』


綺麗なハンカチを口にくわえてみせる。


「へぇ、気に入ったよ。今から3分間スタートするね。時計はここにおいとくよ」


と、時計を近くにあった机に起き、こっちをみる。


その目にドキッとした。まるで私を狙っていた獲物のような、食べられてしまうと感じた。



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