骨による骨のための狂想曲
骨による骨のための狂想曲
 12月になると、あたしはいつも出会い系サイトに登録している。
 もちろん、クリスマスを一緒に過ごす男を探すためだ。

 今年は大当たり、若くて背が高くて大人しくて知的で、顔も問題ない男を吊り上げた。ちなみに無職。彼の『お財布』は気にしない。すべてあたしが持つから。
 なんでか、って? 後々、彼の全部を頂くんだもの。せめてもの御礼のキモチってところかしらね。自分でもよくわからないわ。
 クリスマスまでに超急いで何回かデートを重ねて親しくなっておいて、さあ、ここからが本番。
 自分の部屋に引っ張り込むなり、あたしは彼にプレゼントを渡した。
「え? プレゼントなら、さっきディナーしたときに、ネクタイもらったけど?」
「こっちは、夜のプ・レ・ゼ・ン・ト」
 囁きながら、彼の耳を噛み、首筋に舌を這わせる。なんなら、シャツを少しだけ脱がせる。うん、甘い。美味しい。
 彼の喉仏が、上下に動いた。そう、これでその気にならない男はいない。
 だってあたしは——グラビアアイドル並みの顔とスタイル、その上、男をその気にさせるテクニックをしっかり学んでいる。
「ね……袋、あけてみて」
「あ、ああ。開けさせてもらう……よ?」
 語尾が疑問形になった。
 戸惑う彼が取り出したものは——サンタの衣裳。あたしより年上であるはずの彼が、きょとんとした。あどけなくて、可愛らしい。
「サンタさん?」
「うん」
「俺が、サンタさんの格好するの?」
「そうよ」
「君じゃなくて?」
「今日はクリスマスだからコスプレして楽しもう。ね? あたしもミニスカサンタコス、するから」
 なっ、なんだと!? と彼が前のめりになった。
「ミニスカサンタ? 君が?」
「駄目、かな……?」
 いそいそと着替えて見せれば大抵の男は……ってもういいか。
 だらしない顔になって、鼻息が荒い。やはり彼も、もれなくそのタイプ——っていうか、そんな男を、選んでるんだけどね。
 着替えたついでに、香水もちょっと多目にふってみたので、それをさりげなく嗅がせる。ちょっとイケナイ薬物を混ぜた——秘密の調合。
「どう、かな……。ちょっとスカート短いし、胸も……」
 恥じらって見せるのも、忘れない。この男には多少の演技も……いらないっぽい。鼻息が……それに涎! 薬が効きすぎたみたい……。
「すごく……可愛いよ……おいで……」
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