Rainbow Note
9時30分。大通駅東西線新さっぽろ方面エレベーター前。
ついにこの日が来た。高校2年の秋。よく考えてみればここでいい人が見つかったとしても、もうすぐ受験ではないか。と、そんなことばかり考えていたら1番に着いてしまった。あんなに張り切っていた綾奈ちゃんより早く着いてしまったのだから恥ずかしい。
「あれ?和ちゃんもう着いてたの⁈意外‼︎」

「なんか今日急にお父さんが駅まで送ってくれるって言うから、ちょっと早く着いたんだ。」

とは言っても普通に出ようとしてた時間とあまり変わらなかったのだけれど、綾奈ちゃんの私に対して「文化祭で張り切る」というイメージがなさそうだったので、少し嘘をついてみた。

「おはよー。なんか制服で文化祭とかなんか恥ずかしいんだけど。」

私達の学校は中高一貫の女子校。だから、中1から全て学校指定の制服を着ている私達はここだけの話、バッグのチャックが実は壊れていたり、それぞれ少しづつ壊れているのだ。その中でも日和はものの扱いが雑なのもあってバッグに至ってはこれで三代目だ。

「リュックにしてくれば良かったのに…。」

「だって、兄のリュックしかないし…私リュック派じゃないし。」

「おはよう‼︎」

「おはよう‼︎なんか…女子高生感あるね…。」

そう。

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