聖夜に舞い降りた天使









……どれぐらいたったのか





カチャッという遠慮がちな扉の音とともに年配の男女が入ってきた。


ようやくその音に意識を取り戻した僕はゆっくりと立ち上がった。


中年の女の人が僕の傍へ近づく。

「アンジュの叔母です。貴方がアンジュを見つけて病院へ運んでくれたって聞きました。
ありがとう……
バルト医師の話では、貴方はアンジュの友人、と…?」

「……えぇ」

僕は曖昧に頷いた。


彼女は僕の顔をじっと見つめ、
しばらく沈黙した後……
持っていた鞄から紙とペンを取り出した。


ベッドの脇のサイドテーブルに筆を走らせて紙を4つに折ると、僕の手に握らせた。





「よかったら……来て下さい……」





そして先に歩き出した男に続いて再び扉へと向かうと、一瞬だけ僕をチラリと見て扉を閉めた。





2人の足音が遠ざかる……










アンジュのいたベッドへと視線を移すと、サイドテーブルにアクアマリンのブレスレットが置かれていた。

ブレスレットを手にすると、ようやく僕も扉へと向かった。




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