ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
魔法石と一言で言っても、その種類はたくさんだ。

炎系統の魔力を含んだ魔法石、氷系統専門の魔法石など、特定の系統の魔法を使うときに魔法使いに力を与えてくれるもの。

治癒魔法や体力回復などの、魔法使いの体に作用を及ぼすもの。

挙げだしたらきりがないが、俺達が預かったガーネットという魔法石の特性はおそらく魔法石の力をそのまま使うというわけではないのだと思う。

魔法石に蓄えられた魔力が俺達の体の中に一度流れ込んでから放出されている。


だから俺も由良も、一度も使ったことのない封印結界なんて古代魔法を使えるんだろうな。


聖獣を一体封印するために必要な魔力だけが蓄えられた魔法石ガーネット。

預かった魔法石は丁度5つ。聖獣の数と同じだ。


まるで、いつか聖獣の封印が解かれた時に、もう一度封印できるように用意されたみたいだ。


そこまで考えて、そんなわけがないと首を横に振る。

いや、まさかな。

いくらなんでも考えすぎだ。


突然首を横に振った俺を不審がったのか、由良が「大丈夫?」と聞いてきた。

それはこっちの台詞だと思いながら「お前は」と俺は聞き返す。



「お前はどうなんだ。魔法は戻ったのか?」



途端、由良の顔が暗くなる。

「まだ」と消え入りそうな声で呟いて視線を落とす。


「そうか…」


俺はそれ以上なんて言ったらいいのか分からず、あいまいな返事しかできなかった。

それを見かねたらしい美玲は、「由良はあんたに言いたいことがあってきたのよ」と言った。


「え?」


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