ド天然!? 魔女っ子の秘密【2】
「国土封印結界魔法、この国を守る結界のことよね」


美玲の呟きにあたしは頷いてみせた。


「封印魔法は、大切なものを守るためのもの。大切なものを守るためにはたくさんの順序を守って術を完成させる必要があるの」


「確かにそうだな」と雅人は頷いて言葉を続けた。


「封印魔法の呪文(スペル)は一言でも間違えば発動しないし、魔法陣を書く時も順番を守って書かないといけないから大変だった覚えがあるぜ」

「そうそう、書き順を守らなくて何度も先生に怒られていたものね、雅人は。何度追試を受けたことか」

「それを言うなよ!追試には受かったからいいだろ!?」


ニヤニヤと笑う美玲に雅人は怒って反論する。それが続いてなんだか言い合いに発展してしまった。


「だから、そういうところを気にしないからあんたはあほだっていうのよ!」

「なんだと!?」


なんだかんだと痴話喧嘩を始める二人をよそに、翔太は顎に手を当てて考えながら言った。


「つまり、国土封印結界にも封印する順番があるということか?」


あたしは頷いた。

殴りかかろうとする美玲の手を受け止めながら、雅人は「それが何か悪いことなのか?」と尋ねる。

すると美玲は「当たり前でしょ!」とさらに怒った。


「順番を守らないと封印結界が発動しないの! 発動しなかったら、この国を守る手段がひとつ無くなるってことなのよ!?」


美玲の言う通りだった。

この国を守ってくれる結界がなくなるということは、今まで防ぐことができていたものを防げなくなるということ。

つまりこの国が危険だということだ。
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