最後の恋愛Ⅱ
ん・・・?

寝てた・・・

あれ、ここ家だ。

ベッドだ。

いつの間に帰ってきたんだっけ・・・

ぼや~っと視界がぼやけている。

「お、目が覚めたか?」

・・・

ん?

何か聞き覚えのある声が・・・

そこで、ようやく状況把握。

私は、バッと身体を起こした。

「なっなっなっ、何でいるんですか所長っ!」

煙草を片手に、つっ立った大麦の姿がある。

え、え、何でだ?

だって、確か・・・

柊で・・・

はらら・・・?

フラッとしてまたベッドに横になった。

「ほら、まだ熱あるんだって、寝とけ。」

「へ?熱・・・?」

「そう、熱出てんのに酒なんか飲むからぶっ倒れたの。」

えええ・・・

あ、そうだった・・・っけ?

「ほら、まだ、熱高いんだよ、大人しくしとけ。」

額にヒエピタを貼られて、口に体温計を差し込まれる。

「はの・・・」

「ん?」

枕元に顔を覗かせた大麦は私の目が熱で潤んでるせいなのかいつもよりもずっと優しそうに見える。

だからか、どうしてここにいるのかって聞くことができなくて言葉を詰まらせた。

「しばらくここに居ても良いか?」

え・・・
< 56 / 226 >

この作品をシェア

pagetop