お見合いに来ないフィアンセ
「相馬さんとは……」
「ああ、話をしたよ。僕の言っている意味を理解したかは別として、言いたいことは言った」

 ピンポンと玄関の呼び鈴が鳴った。

 小山内さんが私の横を通り過ぎ、ドアの覗き穴から相手を確認すると、ためらいもなくドアのロ ックを倒した。

 振り返った小山内さんの顔は、学校で別れた時と同じ、冷たい表情だった。

『駿人、いるんでしょ?』とドアを叩く音と一緒に女性の声が聞こえた。

 相馬さんだ。

 小山内さんがため息をついて、玄関から離れていった。
 ベッドにドカッと座ると、腕を組んで瞼を閉じた。

 怖い、んですけど。
 小山内さん……怒ってる。

『お願い、話を聞いて。誤解なのよ』

「美月ちゃん、おいで」と小山内さんが、手を差し出してきた。
 私は「はい」と返事をすると、小山内さんの手を握る。

 ぐいっと引っ張られて、私は小山内さんのベッドに引き倒された。

「うわ」と私は声をあげて、目をあければ、ベッドに寝っ転がっていた。

 小山内さんが私の上にまたがっている。

 これって……。
 あの。アレですか。
 いわゆる……アレ的な。
< 52 / 52 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:4

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

モテ男と勤勉オンナの【秘】ラブ・ゲーム

総文字数/48,088

コメディ128ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『へえ、南センパイってこういうのが好きなんだ』 レジカウンターに立っている男を見て あたしの思考がフリーズした こんなところで 学校一モテる男とばったり鉢合わせなんて 最低もいいところ、だ
毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―

総文字数/45,453

ファンタジー130ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
すっかり行き遅れた年増と結婚してやるんだ 浮気ぐらいいいじゃん 婚約者に裏切られた私は 彼の家を飛び出し、交通事故に遭ったはずだった―― 気がつけば、緑深い森で…… 乗れ さすれば助けてやる 見知らぬ男に手を差し出された 勝利の鍵は、我が織田信長の手中にあり! 男の手をとった私の目の前で、そう男が叫んだ 織田信長、と この物語は戦国時代を元にした 歴史ファンタジーです。
キミの足が魅惑的だから

総文字数/14,668

恋愛(純愛)12ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
結婚を諦めた35歳 茂木さくら 男性社員にも女性扱いされず……重い荷物を持って保管庫へ 手が使えないから足で……とドアを蹴った先にいたのは なんと!! 社長の次男坊 朝比奈翔太営業課長だった!? しかもなぜか その赤いヒールで踏まれたい、なんて変態発言をされた上に 『結婚して』とプロポーズまでーー。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop