指先に囚われて…
2章

恋に目覚めるまで



 あの衝撃的な日から2週間は経っただろうか、それすらも定かではないくらいにあの出来事は私の中で大きなものだった。


あのことを新南にはまだ話せずにいた。


だけど、なんとなく気づいていると思う。



なぜなら、私は仕事の間はまだ大丈夫であるが、学校にいる間はほとんどそのことを考えてしまっていたから…。


授業中も、お昼休みや放課後もどこか心ここにあらずといった感じであった。


それでも無理に聞いてこないのは、私から言うのを待ってくれているんだろう。



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