優しすぎるくらいの。
4月中旬


まだ、席には慣れない。
ただ、隣の碧鳥君は私にも優しくしてくれる。いわば紳士さん。
「ねーねー神埼ー」
違った..。気だるそうに話してくる子供だった。
「なに?」
「何で俺のこと『碧鳥君』って呼ぶの?」
なぜか...と言われても...。
「それなら神埼君も私のこと『神埼』って呼ぶじゃん」
ごもっともっと言いたそうな顔して.....。
「じゃあさ、理奈って呼んでもいい?」
目をキラキラさせやがって、私がその顔に弱いことでも知ってるのか。
「べ、別に、ご勝手にどうぞ。」
「やりー!」
満面の笑み。何回それを見ただろうか。いつも、見るだけで胸がいっぱいになるその笑顔。
「そのかわり、俺のことを翔って呼んでよね!」
それは意外だった。でも、少し嬉しい...気もする。

私の気持ちはだんだんと変わりつつあるのかもしれない。
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