擬装カップル~私は身代わり彼女~
腕を捕まれ、髪を引っ張られ、頬を打たれて痛みが走る。
そして、突き飛ばされて、また尻餅をつく。
「絶対、樹くんに会わせない!」
女の子達は勢い良く用具入れの扉を閉める。
そして「ガチャン!」と鍵が閉まる音がする。
ヤバイ!閉じ込められた!?
「やだ、ちょっと何するのよ!!」
分厚い扉には、錠前がかけられ開かない。
「すっぽかして嫌われればいいのよ」
「樹くん絶対、嫌いになるね!」
「あーっ、スッキリした帰ろう」
「カラオケでも行く?」
「いいねー」
女の子達の声がドンドン遠ざかる。
