新婚の定義──嘘つきな君と僕──
ユウはリビングでレナの帰りを待っていた。

時刻は12時を過ぎている。

レナからはなんの連絡もない。

電話をかけても繋がらず、メールを送っても返事がない。

(どうしたんだろう?まさか事故とか…。それとも…今度こそオレに嫌気がさして…。)

今日の撮影のことが気になって、ユウは気が気でない。

(帰ってこないつもりなのか…?誰かと一緒なのか…?)

ユウが唇をギュッとかみしめた時、玄関のドアが開いた。

(帰って来た…!!)

少しふらつく足取りで、レナがリビングに入ってくる。

「おかえり。遅かったから心配した。」

レナは笑みを浮かべてユウを見た。

「ただいま。ユウ、今日は早く帰ってたんだ。珍しいね。今日も夜中までケイトと一緒なのかと思ってた。ユウとケイトはホントにいい友達なんだね。特別仲良しだもんね。」

「……レナ、飲んできたんだ…。」

「そうだよ。いけない?」

「いけなくはないけど……ひとりで?」

ユウは聞きにくそうに尋ねる。

レナの顔から、浮かべていた笑みが消えた。

「それは言わなきゃいけないの?」

「いや…。そういうわけじゃないけど…。」

「だよね。そんなこと、ユウには言えるわけないよね。」

「えっ…。」
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