新婚の定義──嘘つきな君と僕──
翌朝、豪華な朝食でお腹いっぱいになった二人は、旅館のフロントで手配してもらったレンタカーに乗って出掛けることにした。

「まずはどこ行く?」

運転席のユウが尋ねると、助手席に座ったレナがガイドブックを手に、ウキウキした様子で答える。

「どこがいいかな?キレイな景色もいっぱい見たいし、美味しいものも食べたいし…。」

「いくら美味しくても、今は食えないよ。朝食でお腹いっぱいだろ。」

「そうだったね。」

「じゃあ…ここ、行ってみる?」

「うん、行ってみよ。」



二人を乗せた車は海沿いの道を通り、体験型アトラクション中心のテーマパークに到着した。

トリックアートや3D映画、錯覚を利用したアトラクションなど、不思議な体験にドキドキワクワクしながら楽しんだ。


遊び疲れた二人は、白良浜を眺めながら足湯に足をつけてひと休みすることにした。

「夕べ、露天風呂から眺めた夜の白良浜もキレイだったけど…。」

「うん、昼間もいいな。」

「足湯、気持ちいいね。」

「底の小石、ツボ押し効果で気持ちいいな。」

二人が足湯を楽しんでいると、そんな二人に気付いた周囲の人たちが、仲の良い二人を微笑ましく見ている。
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