新婚の定義──嘘つきな君と僕──
お土産物を買った後、港を離れて、相川お勧めの南京町へ向かった。

「相川くんが、神戸に来たら南京町で食べ歩きだって言ってた。おいしい物がたくさんあるんだって。」

「へぇ…そうなんだ。」

南京町を訪れた二人は、店先に並ぶ屋台でいろんな物を買って食べた。

「ゴマ団子おいしい!!」

「こっちの豚まんもうまい。」

揚げパンやラーメン、なぜか南京町名物のコロッケなど、少しずつたくさんの物を食べてお腹が満たされた二人は、ところせましとたくさんの小物が並ぶ雑貨店に入った。

「なんだこれ。」

「面白いね。」

いろんな物を手に取っては眺めて笑う。

ユウは、壁際に掛けられたチャイナドレスを見て、レナを手招きした。

「レナ、似合いそう。」

ユウが大胆にスリットの入ったチャイナドレスを手に取り、レナの体にあてがう。

「…これはちょっと…。」

「いいじゃん。色っぽい。」

「えぇっ?!」

「こんなの着て出迎えてくれたらなー。」

「ユウ…なんかやらしい。」

「そうか?レナに似合うと思うんだけどな…。これも買ってみるか。」

「えぇっ?!」

ユウはチャイナドレスを手に、レジへ向かう。

(あんなの着せてどうするつもり?!)

< 205 / 269 >

この作品をシェア

pagetop