新婚の定義──嘘つきな君と僕──
「そっか。毎年一緒に歳取るんだもんな。」

ユウはそう言って、ふと思い出した。

(そう言えば…レナに買った誕生日のプレゼント、まだ渡せてないんだった…。レナにもらったプレゼントもまだ開けてなかったな。いろいろありすぎて忘れてた!)

「ユウ、どうかした?」

「いや、なんでもないよ。お土産買ってく?」

「そうだね。」


神戸の有名な菓子メーカーのバウムクーヘンを見て、レナが目を輝かせた。

「これ、すごくおいしそう。うちにも買って帰ろうかな。」

「オレがいないうちに一人で全部食べきらないように。」

「そんなに食いしん坊じゃないよ。ユウが帰るまで待ってるから。」

「じゃあ安心してライブに専念できるな。これ、リサさんと、うちの親と、あとはシンちゃんとこにも買ってくか。」

「岡田くんちにあげたら、ユイちゃん喜ぶだろうね。久し振りに会いたいな。持って行こうかな。あと、両方の事務所とヒロさんにも買ってかないとね。」

「ヒロさん?!」

「うん。お父さんだから。」

他にも神戸のおしゃれな雰囲気の洋菓子や異国情緒の漂うお土産物をいくつか選び、親や事務所のスタッフ、友人に渡すお土産を宅配便で送ってもらうことにして、`ALISON´のみんなやスタッフには、小さめのブランデーケーキがたくさん入った物を買った。

「みんな、こういうケーキ好きかな?」

「レナからだって言えば喜んで食べるよ。」

「そうなの?」
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