新婚の定義──嘘つきな君と僕──
ユウは煙を吐き出し、コーヒーを飲みながら、ぼんやりと考えた。

レナと一緒にいるのが当たり前になり過ぎて、長い時間をずっと過ごして来たような気がしていたけど、よく考えたら、付き合い出してまだ1年ほどしか経っていない。


付き合い出した頃は、レナはまったく恋愛の経験がなくてどうしていいかわからなかったし、ユウは長い間想い続けたレナと付き合えることになったと言うだけでも胸がいっぱいで、レナに嫌われるのが怖くて、お互いに触れ合うことさえためらっていた。

一緒に暮らすうちに、相手への愛情を言葉にして伝え、自然に抱きしめ、キスを交わし、お互いを求め抱き合うようになった。

レナと10年間も音沙汰も無しに離ればなれになっていたのが、自分でも信じられないとユウは思う。

今、レナと10年間離れて暮らせと言われたら、間違いなく耐えられないだろう。

(寂しくて、会いたくて、恋しくて、おかしくなって、死んじゃうかも…。)
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