自惚れ男子の取説書【完】
私の緊張が伝染するみたいに、美月さんは少し困ったように眉尻を下げた。
こうして並んで見ると、なるほど由美さんと美月さんはよく似ている。
ぱっちりとした目に、ふっくらと色っぽい唇。怒ったように膨れて話す表情すら、美月さんは由美さんによく似ている。
違う所と言えば、由美さんはすらりと背が高く華やかなモデルみたい。一方の美月さんは小柄でさっぱりとしたショートカット、どこかボーイッシュなイメージだ。それも独特の雰囲気で、周りを惹き付ける魅力がある。
そんな所に小田さんも惹かれた…のかな。
「あら、そうだったの!世間は狭いわね。まさか二人とも辻さんにお世話になってるなんて」
「あぁー…お母さん?一応言っとくけど、大和は入院してたとかじゃないからね」
「あっ、そう?確かに…この間会った時も相変わらずだったわね。お世話になったのは私ばっかりなのね、ふふっ」