自惚れ男子の取説書【完】
「こんにちは…美月さん」
「あ…え、辻さん?」
「あら!なぁに、あなた達知り合いだったの?」
嬉しそうにはしゃく由美さんをよそに、私は1人顔が強張るのを自覚する。
さっきまでの安らかな気持ちはどこへやら。一気に緊張が高まり心臓の鼓動が全身に響く。
まさか…
「何よ辻さんと知り合いだったの?お母さん」
「お世話になった看護師さんよ。美月こそ、いつ知り合ったのよ」
「あぁ、私っていうか…大和がお世話になったみたい」
一番聞きたくなかった名前を、美月さんは少し気まずそうに口にした。