自惚れ男子の取説書【完】
レストランでおばさんに別れを告げ家路についても、私の心中はぐっちゃぐちゃだった。
芽生え始めた小田さんへの興味…というか”好意”。明確な言葉にするだけでも顔から火が出そうだ。
そのくせ、不審者よろしく初対面の恩人相手に暴言を吐きつけた暴挙。
あぁ…詰んだ。
芽生えた瞬間終わりを迎えた、そんな所だ。
「おい、百面相。何やってんだ」
コツンと軽く頭を小突かれ、そんな行為にすら顔が火照る。咄嗟に言葉が出ず、ひとまず顔を横に振る。
「あ、おばさんの言った事なら気にすんな。勝手に盛り上がってるだけだろ」
「はぁ…」
そうですね、と思いたいような思いたくないような。今となっては複雑な心境だ。