バレンタインの奇跡【短編】
「お前まだ田中の追っかけやってたのかよ」



隣から嫌な声が聞こえてきた。


「うっさい。私は追っかけじゃないんだから。


今日からは」


「今日はバレンタインだからなー。

俺も今日は女子から呼び止められるわ、教室に辿り着かなくて大変だったわ」



このウザいやつは隣の席の小林。


高校1年の時からまさかのずっと同じクラス。


背も高く、顔もまぁよく、いわゆる学年の中でのモテ男である。


何度も告白されてたりしたのを目撃したことがある。


でもなぜか付き合わず彼女がいなかったりする。


もしかしてゲイなのか。


と少し疑いを持っているのは内緒だ。
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