卒業前に君に捧ぐ
着崩した制服に、茶髪の彼。


シルバーのネックレスが時々、ワイシャツの影からキラキラと輝いては覗かせる。



いわゆる “今風の男子” だ!



「あの………。もしかして俺、邪魔してる……?」


「へ!?………う、ううん!!だ、大丈夫!…です……。」


ど、どういう対応をしたらいいんだろうか!?



私はなんだか冷や汗にも似た緊張の汗をかいてしまう。


すると私は高橋くんの手にギターケースが握られていることに気づいた!



あ……。


そういえば高橋くん、ギター弾くんだっけ。


私がじっとそのギターケースを見ていると……。


「……あ!コレ?……教室にさ、ずっと置きっ放しにしてて。ちょっと汚かったから拭いてたんだ。」


と、高橋くんがケースに視線を向けながら答えてくれる。


「そ、そうなんだ!………そ、そういえば、よく放課後にギター弾いてたよね…?」


と、私は彼に質問してみることに。
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