もう一つのダイヤモンド
「運転しながらで悪いけど。」

チラッと視線はくれるけれど、車が多い通りなので、隼人さんはすぐに前を向く。

その横顔を見つめていると、前を見つめたままの隼人さんが、口を開く。

「アメリカから戻ったら、たぶん次の年は大学だから。戻ったら、一緒に住まないか?」

「えっ?」

「だからそれまで持ってて。」

「…」

「待たせといて、外堀から埋めてるようで悪いんだけど。」

何か企んでいるような笑みがチラッとこっちを向いた。

「アメリカ行く前にお互いの実家にも行きたいし。結婚を前提にお付き合いしてますって。どうかな?」

十分な沈黙があった。
2人とも声を発しない。
車の中で、ラジオの音がはっきり響く。
質問の返事とは言えないほどの時間が経った。


「…はい。」
小さな声だったけど、返事ができた。

「ありがとう。ごめんな、バタバタで。付き合って、まだ2ヶ月なのに、早いとは思ったんだけど。今のは、プロポーズのプロポーズっていうか。…プロポーズはちゃんとするから、待ってて。」今度こそどう答えていいか分からなくて下を向いた私の頭に、大きな手が触れた。


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