もう一つのダイヤモンド
師長が何かを思いついたように、先生に話しかけた。

「先生、今日当直なんでしょ?」
「はい。」
「じゃあ、オペ着に着替えるのよね?」
「はい。」
「じゃあ、着替えてきたら?オペ着の2ショットも撮ってあげるわよ。」

「「えっ。」」

私の『えっ』は、喜色満面、予想外のプレゼントに歓喜の『えっ』。

先生の『えっ』は、意味が分からないという驚きの『えっ』。


「2人とも息ぴったりね。この間、先生が、外来に用事があったみたいで、オペ着で顔出したあとに、若い子達が話してたんたけど白衣もいいけど、やっぱりオペ着って。ねぇ。」

師長の私に向かっての『ねぇ』に深くうなずいた。診察室ではもう何度も泣いてしまって、恥ずかしいとこも見せてるし、旅の恥はかき捨て、じゃないけど、診察室の恥はもう開き直ろう。だって、術衣だし。もう、ハートマークがつきそうな勢い。

先生が、いまいち納得出来なそうに、

「オペ着、撮りたい?」

と聞くから、

「はい。」

と今までにないくらい、強い意思表示をしたら、笑われた。

「分かった。師長、時間大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。まだ仕事あるから。そういえば、泉川さん、新しい薬のことでちょっと聞きたいんだけど。」

「はい。」

もう、何でも聞いて下さいと思った。

「じゃあ、行ってきます。」

と先生は診察室を出て行った。


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