もう一つのダイヤモンド
シャワーを浴びると酔いが醒めた気がした。こうなると、眠れないのがいつものパターン。飲み会に出席した後は、飲んでも飲まなくても、いつもとちがうテンションになっているせいか、寝付くのに時間がかかる。

隼人さんも入れ替わりでシャワーを浴びて、冷蔵庫から最後のミネラルウォーターのペットボトルが出され、冷蔵庫のコンセントが抜かれた。


「明日、早いんで…だよね?」

「8時半までには業者が来るって言ってたな。」

「…はい。」

なんとなく、すべてがよそよそしく感じる室内。明日には、私の部屋となる場所に運ばれるベッドに横になる。

今日どうするんだろう…

明日は朝早いのに、
隼人さんといられるのはあと二晩だけど、
お酒を飲んだのに、
お酒を飲んだから、

思い切って、隼人さんの方を向くと、隼人さんもこちら側に横向きになって顔を向けていた。まだ暗闇になれていない目が合った。

あわてて視線を下げたら、口角が上がった口元が見えた。

そして、温かい胸元にぎゅっと抱き込まれて、隼人さんの香りが強くなる。体いっぱいに染み渡るように、深く香りを吸い込んだ。

「明日、朝早いけど、いい?」

胸の中で、深くうなずいた。

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