もう一つのダイヤモンド
土曜の引っ越しは、もう本当にバタバタとあっという間だった。
引っ越し屋さんの手際のよさに圧倒されて、終わった。
しかし、荷物は自分達で片付けなくてはならない。
とは言え、ベッドや冷蔵庫が配置されてしまえば、ここは隼人さんの住む場所ではないことを示すかのように、開ける必要があるダンボールは数個だった。
夕方には、スーパーに行く余裕があった。
いつものようにカゴをカートに乗せると、当たり前のように、隼人さんが押してくれる。こんな当たり前になりつつあることが、あまりにも幸せで、寂しいと感じる。
そして、現実を直視する。隼人さんは、いつまでいられるのだろう。朝ご飯は一緒に食べるだろう。昼は食べないだろうか…向こうでも、荷物の片付けがあるだろう。
サラダを作ろうと、トマトの前で立ち止まる。2個パックのトマトと袋入りのトマト、どちらを買おうか。
不自然に立ち止まった私を、隼人さんが見ているのが分かる。
「あの、明日…」
どう聞いていいか迷ってしまった私の言葉の先を、察してくれたらしい。
「明日は、片付けもあるし、昼前に出ようと思う。ごめんな。」
隼人さんの声が寂しそうに聞こえて、それにわずかなうれしさを感じるものの、熱くなった目元を押さえ込むように首を振り、2個パックのトマトを手にした。
引っ越し屋さんの手際のよさに圧倒されて、終わった。
しかし、荷物は自分達で片付けなくてはならない。
とは言え、ベッドや冷蔵庫が配置されてしまえば、ここは隼人さんの住む場所ではないことを示すかのように、開ける必要があるダンボールは数個だった。
夕方には、スーパーに行く余裕があった。
いつものようにカゴをカートに乗せると、当たり前のように、隼人さんが押してくれる。こんな当たり前になりつつあることが、あまりにも幸せで、寂しいと感じる。
そして、現実を直視する。隼人さんは、いつまでいられるのだろう。朝ご飯は一緒に食べるだろう。昼は食べないだろうか…向こうでも、荷物の片付けがあるだろう。
サラダを作ろうと、トマトの前で立ち止まる。2個パックのトマトと袋入りのトマト、どちらを買おうか。
不自然に立ち止まった私を、隼人さんが見ているのが分かる。
「あの、明日…」
どう聞いていいか迷ってしまった私の言葉の先を、察してくれたらしい。
「明日は、片付けもあるし、昼前に出ようと思う。ごめんな。」
隼人さんの声が寂しそうに聞こえて、それにわずかなうれしさを感じるものの、熱くなった目元を押さえ込むように首を振り、2個パックのトマトを手にした。