もう一つのダイヤモンド
寝室はもちろん今までと違うのだけど、その中にあるのは見慣れたベッド。隼人さんの部屋から運ばれてきたベッドのはずなのに、ちょっとよそよそしい。

このベッドでこれから一人で寝る方がずっと多いんだろう…

そんな気持ちで横になると、隣から抱きしめられて、やっといつも通りの温かさと香りに包まれて、肩の力が抜けた気がした。

でも、明日の朝起きたら、次にこのぬくもりか感じられるのは、一週間?二週間?後だろうか…たぶん肩が再び強ばったのが伝わったのだろう。

抱きしめていてくれた手が、優しく頭を撫でてくれた。『抱かれたい』と痛切に思う。

その想いのままに、ぎゅっとパジャマを握ったら、優しさが色を変えて、隼人さんの手が素肌へ触れた。

「香江」

その声に、しがみついていた胸から顔を上げると、身体の向きが変えられて、上から見下ろしてくる隼人さんと目が合うと、愛おしそうに笑ってくれて、嬉しいけれど恥ずかしくて目をそらすと、唇が重なった。

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