赤面彼女



…サァッ



その時一瞬爽やかな風が


俺たちの間を吹き抜けた。



女の子の長い茶髪の髪がなびく。



俺は不覚にもその姿に見とれてしまった。



ずっと女の子の後ろ姿を追い続ける俺に祐介は



「…今の子



可愛かったな!



もしかして…



好きになっちゃった??」



そうニヤニヤと笑って聞いてきた。



「れ…れた…も…」



「え?」



「…俺



あの子に…



惚れたかも」



「は?



マジで!?



冗談だろ!?」



祐介は驚いた顔をしてそう言った。



「…なぁ」



「なんだよ!



人の話聞けよ!!」



俺は怒る祐介を無視して
そのまま続けた。



「…これが





一目惚れってヤツかな?」



「はぁ??



お前熱でもあるんじゃねぇか?」



祐介はおかしなものを見るような目で俺を見た。






俺だって驚いたよ…





まさかこの俺が一目惚れなんかするなんてな…



.
< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop