冷たい彼-初恋が終わるとき-
「え、」
「話したいことがある」
「わ、私に…?」
何の用なんだろう。
落合君が幼なじみだと桐生君に教えて貰った日から、話しかけられるのは今日が初めて。
避けていた訳じゃなくて接点がなかっただけ。
「ここじゃ人目があるから外に行こう」
「あの、私、待ってる人がいて…」
「うん、知ってる。蓮だよね。だから少しでいいよ」
落合君の中では私が着いて行くことが決定してるらしい。
何の話なのか怖くて断ろうとした。
「で、でも桐生君を待ってないといけないから…」
ごめん。
そう言おうとする前に、ほっそりした指が私の手首を掴む。