冷たい彼-初恋が終わるとき-

花霞side







■□■



翌日。噂は瞬く間に広がった。



「B組の椎名さん、桐生君と付き合ってるらしいよ!」

「ええー!?やだあー!ショックなんだけどー!桐生君の事狙ってたのにぃ!」

「て言うかあの子って去年のミスコンの…」

「ああ、そう言えば…」



四方八方から向けられる視線から、俯いて顔を隠す。それでも視線の槍はグサグサと私を突き刺してくる。


髪の毛で顔を隠して誤魔化す私の背中を星絆ちゃんが叩いてきた。



「花霞ちゃんしっかり!」

「…うう…っ」

「まぁ桐生君格好いいから仕方ないよねぇ。今まで"皆の桐生君"だったのにいきなり彼女が出来るんだもん!ビックリだよ!でも彼女は花霞ちゃんなんだから胸張りなって!」



その言葉には躊躇ってすぐには頷けなかった。


桐生君が私と付き合い始めたと言う噂。廊下を歩くだけで女の子がこちらをじろじろ見るから流石に堪える。ひそひそ話される内容が分かっているからこそ、余計に。


分かってる。私だって桐生君と釣り合ってないことくらい分かってる。自分でもそう思うから。


私なんて何の特徴もない女。成績は平均。運動神経も平均。身形は小学生と間違われるほど稚拙。本当に全てにおいて、そこそこ。


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